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玉樹慎一郎氏著の「ついやってしまう」体験のつくりかたを読みました。
今回は、「ついやってしまう」体験のつくりかたについて紹介していきます。
この本はこんな方におすすめ
- ユーザ体験のデザインを研究している
- 夢中になってしまうゲームの構造について知りたい
- 日常を円滑にする方法を知りたい
「ついやってしまう」体験のつくりかたはどんな内容?

著者の玉樹氏について
著者の玉樹氏はかつて任天堂でゲーム機開発に携わり、Wiiの開発にも深く関わっていました。
その中でゲームのユーザ体験について研究・議論を重ね、商品開発に活かしていたといいます。
現在は個人事務所を営み、コンサルティング業務などを通して「心を動かす体験のつくりかた」を企業や団体に伝えています。
本書では、ゲームのユーザ体験を通して「ついやってしまう」体験について説明しています。
ゲームは3つの体験デザインで成り立っている

著者によれば、ゲームは直感のデザイン、驚きのデザイン、物語のデザインという3つの体験デザインによって成り立っているといいます。
直感のデザイン
本書では、スーパーマリオブラザーズを例に挙げて直感のデザインを説明しています。
スーパーマリオブラザーズの冒頭のデザインは、マリオは画面の左端にいて、右を向いています。
このデザインは、プレイヤーにマリオは右に進むんだという仮説を立てさせます。
すると途中でクリボーという最初の敵に出会うのです。
そこでプレイヤーは「右へ行って正解だった!」と実感します。
この仮説を立て、試行し、歓喜するという直感のデザインの構造がゲームをおもしろくさせる仕組みの一つなのです。
驚きのデザイン
驚きのデザインとは、予想が外れる驚きで疲れや飽きを払拭するデザインをすることです。
直感のデザインだけでは、プレイヤーに飽きや疲れが出てきてしまいます。
そこでプレイヤーをつい夢中にさせてしまうデザインをするのが、驚きのデザインです。
予想が外れる驚きには、思い込みやタブーのモチーフを利用します。
思い込みには、前提への思い込みや日常へのタブー。
タブーのモチーフには、性やけがれ、食、暴力などといった事柄が挙げられます。
驚きのデザインの構造は、思い込みやタブーを利用してプレイヤーに誤解をもたらし、試行させ、驚愕させるという一連の体験なのです。
物語のデザイン
さて、直感のデザインと驚きのデザインで長時間楽しめるゲームはできましたが、それだけではプレイヤーの心に残る体験とまではなりません。
そこで必要になるのが、物語のデザインです。
物語のデザインの構造は、翻弄させ物語らせ、物語中の主人公同様にプレイヤーを成長させ、プレイヤー自身の意志で運命を切り開かせるという、翻弄・成長・意志の構造です。
物語のデザインを通してプレイヤー自身の物語を生み出させることで、ゲームで遊んだ思い出という形で記憶が残ります。
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体験デザインの考えかたが活用されれば、どんな風に人類や社会や個々の人生が変わっていくのか

本編の最後で著者はこの体験デザインの考えかたが活用されれば、どんな風に人類や社会や個々の人生が変わっていくのかを想像してしまうと述べています。
私は、普段なにげなく夢中になってしまうゲームにここまでの体験デザインの考えかたが集約されているとは思いませんでした。
本書には、企画の立案や、チームでの議論、プレゼン、子育てでの体験デザインの応用法も紹介されており、日常でも体験デザインを活用することが推奨されています。
この体験デザインを各々が活用できれば、社会生活も円滑なものに変わっていくのでしょう。
日常生活を円滑に進める方法はゲームから学べる

ゲームばっかりやってないで勉強しなさい!とよく言われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、そこまで夢中になってやれるゲームには、夢中になれるための体験デザインが組み込まれているのです。
そしてその体験デザインを人生に応用することで、例えば会社や子育ての場面などでも円滑に進めることが可能なのだと、本書から学びを得ました。
巻末の体験デザインの応用方法は、日常生活での応用方法をイメージしやすく、勉強になりました。
「ついやってしまう」体験をつくりたい方、日常を円滑に送りたい方におすすめ
本書は、ユーザ体験をデザインする立場にある方はもちろん、円滑な日常を送りたい方にもおすすめです。
本書から学べる体験デザインは、日常にも応用できる手法で、本書でも分かりやすく応用方法が解説されています。
なので、日常を円滑に送りたい方にもおすすめの本です。
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